黒猫

□ドキッ☆暗殺者だらけのサマーキャンプ(仮)
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『………ボンゴレ式サマーキャンプ?』

「今の時期めちゃくちゃ秋なんだけど」



適度に仕事もやりつつ、遊びつつしていた時期に届いた一通の手紙。

送り人は「ボンゴレ本部」である。

………あぁ、あのボンゴレボスか。


ボスに召集をかけられたため、この場には現在幹部全員が集結している。

突然の召集にもかかわらず全員揃っているところを見ると、みんなちょうど任務がなかったようである。

あぁ、平和だな。



「出発は明日だ。用意しとけよカスども」

「本気で行くのかぁ!?」



当然ながらみんなして嫌そうな反応をする。

ベルとフランに至ってはもうこの部屋から出てこうとしてるし。

部屋の空気は一気にどす黒い雰囲気をまとう。


ボクはむしろ嬉しいんだけどな……

だってさ、堂々と仕事休めるんだよ!?



『ねぇねぇボス、持ち物はー?』

「着替えと菓子と水着だ」


「「「「水着っ!?」」」」



あ、一斉にいい顔になったねみんな。

さっきのもやもやした空気は一瞬で吹き飛ばされ、ワクワクしてるぜ!という空気に入れ代わる。

反対にボクのテンションはクールダウンされ、はぁとため息をつきUターン。

……あのさ、水着なんか着るかばかやろう。

そして逃げ出そうとしたところを案の定リア姉に捕まった。



『離せー!ボクには仕事があるんだ!そんなところ行かないからなー!』

「さっきまで乗り気だったじゃないですかー」

「ダメよのあちゃん!なんせ全員参加なんだから!」

『その言葉が今ほど恐ろしく見えた日はない』



まぁ、結局は連れてかれることになるんだろうな。

しかもボク水着持ってないよ。

しょうがないからパーカーでも持っていこう、黒いの。



ボスがたどたどしく読み上げてくれた招待状の内容は、だいたいこんな感じである。


ボンゴレとヴァリアー、もっと仲良くなろうよ!

そのために今回は南の島でいろんなイベントをするよ。

・素晴らしき☆ビーチバレー大会
・ボンゴレ☆ミス&ミスターコンテスト
・ドキッ☆心霊名所だらけの肝試し
・目指せ裏社会のアイドル☆カラオケ大会
・etc...


『………うぜー』

「☆使う辺りがイラッとすんなぁ」

「行きたくない要素だらけですねー。師匠もいるしー……」

「だが絶対的な強制力を持つこの文字…」


「「「「ポロリもあるョてへっ☆」」」」


『じゃねええぇぇぇぇええよっ!!』



ねぇよ! 絶対ねぇよ!

……あ、美しきボンゴレのお姉様方たちのポロリって事ですね?わかります。

ならいいや。 いやよくないけど。



「さっさと準備してきやがれ」

『へ? 出発は明日でしょ?』

「ボンゴレに負けないようなイベントを全員で考えるんだってよぉ」

『……子供か』



絶対ヴァリアーで一番幼いの(精神的に)ってボスだって。

いっつも一番イベントをエンジョイしてるもん。

本人に言ったら殺されるから言えないけど、絶対みんなもそう思ってる。



「じゃあ二時間後にここ集合でいいなぁ」

『あーい』

「めんどくせー……」



でも久々に遊びに行けるんだよね。

行く以上はやっぱり楽しみたいし、ボンゴレの人達とも仲良くなれたら…… いいな。

でも、南の島で水着ってことは……


やっぱり、海かぁ。



『はぁぁ……』



ため息と共に談話室を後にした。

また来ます、はい。




    
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