黒猫

□黒猫の住み家
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おお、アジト大きいなー。さすがヴァリアーとでもいうべきか。


中に入るとまぁ、豪華なのかな、うん。

基準が分からないけど、金があるな相当。よし、ボれる。

新しい武器作りに挑戦出来ちゃう。



『……さぁさぁ、入ると決まったのならボクの部屋に案内してもらおうか』

「ゔおぉい、態度でけぇぞぉ」

『それなりに広くないとダメですよ、道具入らなくなるし』

「何様のつもりだ」


ピンッ『あだっ!』



なんと今度はデコピンかっ!


これ痛すぎ! デコピンの威力じゃないよ!



「あら、今日は部屋用意できないわよ!」

『えっ』

「急に言われたって…片付けないとどの部屋も使えないもの。今日は誰かの部屋に寝なさいよ♪」

『いやいやいや』

「うわ、男と寝るとかマジ勘弁」

「同感ですー」





………あれ? 男だと思われてるのボク?


あぁそっか、顔出してないしね。声低くしてるもんね。

その方が好都合だから。

女扱いされても困るし嫌だしなめられちゃうし。




「フン、カスがオレの部屋に寝れらる訳無いだろ」

「オレの部屋は大事な書類があるから、さすがに来てすぐの奴を入れるわけにはいかねぇぞぉ」

「ルッスセンパイの部屋には、死体が転がってますしねー」

「失礼ね! あれはコレクションよ!」

『し、死体………っ』



怖っ。 しかもコレクションって……。

このオカマさんの人間性疑うよ。




「じゃあオレの部屋に『死んでも嫌です』

「何故だ貴様!せっかく寝かしてやろうと『廊下でも何処でもいいからキミの部屋はやだ』


「それはミーもすごーく同感ですー」

「ししっ、王子もレヴィの部屋だけはやだ」

『あ、やっぱりキミプリンス・ザ・リッパーなんですか』

「はぁ?」

『今、王子って』

「うししっ、そーだぜ?オレはベルフェゴール。ベルでいーぜ」

「ミーはフランですよー」

『ふーん。…その被ってるの、カエル?』

「カエルは止めてくださいー。堕王子に無理矢理被らされてるだけなんでー」

『へぇー…… 了解しました』



フランがベルにナイフを投げられていたのは、スルーしておこう。

ん、堕王子…………?

なんだそりゃ。



「アタシはルッスーリアよぉ、リア姉って呼んでほしいわ!」

『え、……リア、姉?』



………なにこれなんかむずむずする。

照れるなこれ。姉って……。



「あら、可愛いわぁ♪」

『うぇぅっ! 苦しッ……!!』



ししっ♪黒猫の奴、オカマに抱き着かれて死にそうになってるし。


あ、そういやコイツ、なんて名前だ?

黒猫、としか知らねーや。

本名知れるとか、オレらレアじゃね?



「なぁ、お前の名前は?」

『あぁ……、ボクはのあだよ』

「のあちゃんね……。日本人かしら?」

『一応ね。あ、その銀髪の人。名前聞かせてよ』



どっか行きかけていたので呼び止める。


用事あったのかな?止めないほうがよかったか。



「あ゙ぁ、オレはスペルビ・スクアーロだぁ!」



やっぱり……。

なんか聞いた事あるかも。



『スクアーロ……? ってさ、剣帝倒した?二代目剣帝?』

「!? な、何で知ってんだぁ?」

『結構有名じゃないかな?わーすげー!今度剣見せてー!』

「っあ、あ゙ぁ。今度な」



周りのヴァリアー幹部達はちょい唖然。


さっきまで声も抑揚のない、いかにも無表情な声だったのに、今はなんか輝いてる。

テンションが高くなっているのが一目瞭然で分かる。



『ボク、武器の中でも剣が一番好きなんだよね』

「てかさ、顔見してくんね?黒猫の顔とか気になるんだけど。」

「あー、ミーも見てみたいですー。どんな不細工な面してるかー」

「ゔおぉい、失礼だろ!」

『ん、見ないほうがいいよ。フラン、君?が正解』

「君づけキモいんで止めてくださーい」

「ししっ、不細工なの?」

『もちろん!』

「自信満々で言うところじゃないわよ…」



『んー、キミ達みたいに綺麗な顔してたら、隠さないでも良いんだろうね』



「な゙っ」「え」「は?」「あら♪」



コイツ今飄々としながらすごい事言った。



『やー、神様もセコいなー。こんな差別しないでいいのに』

「え、ちょ、ま、は!?」

『え、何?みんな顔赤いよ?』

「今、ミー達の事綺麗って……」

『綺麗じゃん。髪とかさー』

「「「……………」」」



何だコイツ。


何でそういうこと恥ずかしげもなく言えるかなー……。

オカマは横でくねくねしてるし。どう考えてもお前の事じゃねーだろ。

しかもコイツ、男だろ?別に嬉しくねーし。



「じゃあ、しばらくここでくつろいでろ。用があったら呼べぇ」

『りょーかーい』

「あ、ちなみにココ、談話室だから」

『おー、サンクス』



扉を開けながら、わ、広ー。とか言ってるし。


マイペースっつか、掴めねー奴。



ま、あとでいろいろ詮索しよ。

今は血流してきたいし。シャワー浴びに行くか。





『ふへー、ソファーだー』



ごろん、とねっころがる。

眠い。すっげー眠い。

昨日と一昨日は仕事あって徹夜だったし、それ以前も三日間くらいはまともな睡眠を取れてない。



さっきも中途半端なところで起こされたし……。

げんこつで。

あれ、痛かったなー…………



あー、余計な事考えたら、さらに眠く……







  


    
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