黒猫
□黒猫の住み家
2ページ/5ページ
おお、アジト大きいなー。さすがヴァリアーとでもいうべきか。
中に入るとまぁ、豪華なのかな、うん。
基準が分からないけど、金があるな相当。よし、ボれる。
新しい武器作りに挑戦出来ちゃう。
『……さぁさぁ、入ると決まったのならボクの部屋に案内してもらおうか』
「ゔおぉい、態度でけぇぞぉ」
『それなりに広くないとダメですよ、道具入らなくなるし』
「何様のつもりだ」
ピンッ『あだっ!』
なんと今度はデコピンかっ!
これ痛すぎ! デコピンの威力じゃないよ!
「あら、今日は部屋用意できないわよ!」
『えっ』
「急に言われたって…片付けないとどの部屋も使えないもの。今日は誰かの部屋に寝なさいよ♪」
『いやいやいや』
「うわ、男と寝るとかマジ勘弁」
「同感ですー」
………あれ? 男だと思われてるのボク?
あぁそっか、顔出してないしね。声低くしてるもんね。
その方が好都合だから。
女扱いされても困るし嫌だしなめられちゃうし。
「フン、カスがオレの部屋に寝れらる訳無いだろ」
「オレの部屋は大事な書類があるから、さすがに来てすぐの奴を入れるわけにはいかねぇぞぉ」
「ルッスセンパイの部屋には、死体が転がってますしねー」
「失礼ね! あれはコレクションよ!」
『し、死体………っ』
怖っ。 しかもコレクションって……。
このオカマさんの人間性疑うよ。
「じゃあオレの部屋に『死んでも嫌です』
「何故だ貴様!せっかく寝かしてやろうと『廊下でも何処でもいいからキミの部屋はやだ』
「それはミーもすごーく同感ですー」
「ししっ、王子もレヴィの部屋だけはやだ」
『あ、やっぱりキミプリンス・ザ・リッパーなんですか』
「はぁ?」
『今、王子って』
「うししっ、そーだぜ?オレはベルフェゴール。ベルでいーぜ」
「ミーはフランですよー」
『ふーん。…その被ってるの、カエル?』
「カエルは止めてくださいー。堕王子に無理矢理被らされてるだけなんでー」
『へぇー…… 了解しました』
フランがベルにナイフを投げられていたのは、スルーしておこう。
ん、堕王子…………?
なんだそりゃ。
「アタシはルッスーリアよぉ、リア姉って呼んでほしいわ!」
『え、……リア、姉?』
………なにこれなんかむずむずする。
照れるなこれ。姉って……。
「あら、可愛いわぁ♪」
『うぇぅっ! 苦しッ……!!』
ししっ♪黒猫の奴、オカマに抱き着かれて死にそうになってるし。
あ、そういやコイツ、なんて名前だ?
黒猫、としか知らねーや。
本名知れるとか、オレらレアじゃね?
「なぁ、お前の名前は?」
『あぁ……、ボクはのあだよ』
「のあちゃんね……。日本人かしら?」
『一応ね。あ、その銀髪の人。名前聞かせてよ』
どっか行きかけていたので呼び止める。
用事あったのかな?止めないほうがよかったか。
「あ゙ぁ、オレはスペルビ・スクアーロだぁ!」
やっぱり……。
なんか聞いた事あるかも。
『スクアーロ……? ってさ、剣帝倒した?二代目剣帝?』
「!? な、何で知ってんだぁ?」
『結構有名じゃないかな?わーすげー!今度剣見せてー!』
「っあ、あ゙ぁ。今度な」
周りのヴァリアー幹部達はちょい唖然。
さっきまで声も抑揚のない、いかにも無表情な声だったのに、今はなんか輝いてる。
テンションが高くなっているのが一目瞭然で分かる。
『ボク、武器の中でも剣が一番好きなんだよね』
「てかさ、顔見してくんね?黒猫の顔とか気になるんだけど。」
「あー、ミーも見てみたいですー。どんな不細工な面してるかー」
「ゔおぉい、失礼だろ!」
『ん、見ないほうがいいよ。フラン、君?が正解』
「君づけキモいんで止めてくださーい」
「ししっ、不細工なの?」
『もちろん!』
「自信満々で言うところじゃないわよ…」
『んー、キミ達みたいに綺麗な顔してたら、隠さないでも良いんだろうね』
「な゙っ」「え」「は?」「あら♪」
コイツ今飄々としながらすごい事言った。
『やー、神様もセコいなー。こんな差別しないでいいのに』
「え、ちょ、ま、は!?」
『え、何?みんな顔赤いよ?』
「今、ミー達の事綺麗って……」
『綺麗じゃん。髪とかさー』
「「「……………」」」
何だコイツ。
何でそういうこと恥ずかしげもなく言えるかなー……。
オカマは横でくねくねしてるし。どう考えてもお前の事じゃねーだろ。
しかもコイツ、男だろ?別に嬉しくねーし。
「じゃあ、しばらくここでくつろいでろ。用があったら呼べぇ」
『りょーかーい』
「あ、ちなみにココ、談話室だから」
『おー、サンクス』
扉を開けながら、わ、広ー。とか言ってるし。
マイペースっつか、掴めねー奴。
ま、あとでいろいろ詮索しよ。
今は血流してきたいし。シャワー浴びに行くか。
『ふへー、ソファーだー』
ごろん、とねっころがる。
眠い。すっげー眠い。
昨日と一昨日は仕事あって徹夜だったし、それ以前も三日間くらいはまともな睡眠を取れてない。
さっきも中途半端なところで起こされたし……。
げんこつで。
あれ、痛かったなー…………
あー、余計な事考えたら、さらに眠く……