黒猫

□黒猫のご飯
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そして食事を続ける。


リア姉とかボスとかスクアーロとかは、ベルとフランが争ってるのに全く相手にしない。


ボクは内心、ヒヤヒヤしてるんだけど……

いつナイフが飛んできて、とばっちり受けるかわからない。



「ゔおぉいベル、フラン!いい加減にしろぉ!」

「ミーはなにもしてないですよー。この堕王子が」

「堕王子言うなっ」



ザククッ!



「でっ!止めてくださいよー」



スクアーロが止めに入ってもバタバタ。


白熱中だぜ! …はい、すいません。




「のあー、助けてくださーい」


「げっ」「ゔおぉい!」

『うにゃっ!?え、何してるのフラン?』


ボクを盾にするように抱き着いてくるフラン。

心なしか、ベルやスクアーロからの殺気が強くなった気がする。



肩の辺りとお腹の辺りに手を回して、ぴったりとくっついてくる。

締め付ける力がすごい強い。

この細腕のどこにそんな力が…?



『ちょ、フラン苦しい』

「ゔおぉいフラン!」

「チョーシのんな、離れろカエル!」

「やですよー。のあ、ちっさくて柔らかくて可愛いのでー」



ん?

聞き捨てならない言葉が聞こえたぞ。

ちょっと待てやコラ。



『ちっさいとか言ってんな、ぶっ殺すぞ』

「こらのあちゃん、口悪いわよ」

『いいから離せやカエル。そんなにバラバラにされたいか』

「ぶー、のあ怖いですー」



ぶー、とか可愛いなキミ。


これみよがしに殺気をぶつけると、名残惜しそうに離れる。

まぁ、あくまでも全力の殺気じゃないけどね。





『お腹いっぱい。ごちそうさまー』

「あら、もういいの?」

「あまり食べてないんじゃないのか?」

『うっせキモヒゲピアス』



睨みつけてみました。


話かけんな視界に入るなむしろこの世から消えて下さい。



「……意外とひでーな、のあ」

「フン。ちゃんと食わねーからチビなんだ、カスが」

『……ケンカ売ってんのボス?』

「ぶはっ!おもしれえ奴だ」

『全く面白くないし』



だいたい、日本人なんだから小さくてもおかしくないだろ。

しかも、発展途上だからね!?まだまだこれからだもん!


去年2ミリしか伸びてなかったのは内緒。




「じゃ、食べ終わったし。ミーの部屋来ますかー?」

『あー、うん』<ガシッ>「ちょーっと、待ちなさい?」

『………へ?』



部屋から出ようとしたら、リア姉に止められた。


掴まれた肩がミシミシ悲鳴をあげてます。

痛いよ加減してよなんなのさ!



「ここでフランちゃんの部屋に行ったら、私たちはのあちゃんと接する機会が減っちゃうわ!」

「ここに住む以上は仲良くやりたいしなぁ」

「カエル一人占めは許さねーってことだし」

『………なにそれー』



一人占めとかボク物じゃないんだけど。

一体なんなんだこの人たち。



「チッ… 年寄りは黙ってて下さーい」

「ゔおぉいフラン、今の発言は許せねえぞ」

「うしし、カエルマジ殺す」

「ほら、そんなことやってると話が進まないじゃない」



………血の気の多い集団だ。


すぐケンカするし。

ボク、こんなところで生きていけるかなぁ?



「はいはい!それじゃ王様ゲームしましょ」


「『どう考えてもおかしいだろオカマ』」


「酷いわよのあちゃんにフランちゃん! いいじゃない、楽しそうじゃない!」

『何が悲しくてそんな合コンみたいなことしなくちゃいけないのさ』



あ、みんなの気配が変わった。


詳しく言うと、『合コン』とか言った所から、目つきが変化を遂げました。





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