黒猫
□ヴァリアーの食後運動
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「はーい、じゃあ取ってちょうだい!王様だーれだ?」
「ししし、王子王様ー!」
いの一番にくじを引いたベルが、さりげなく王様に。
………引く楽しみ、なくなったよ。
王子様はものっそいご機嫌に。
「うしし、早く引けってー!」
「うるさいです堕王子ー。邪魔しないでくださーい」
「ゔおぉい、のあも引けぇ」
『うぃーっす』
「のあちゃん、もう少し女の子らしくしましょうよ……」
そんなの知らないよー。
これがボクだもの。
身を乗り出して、リア姉の手から割り箸を引く。
あ、1番だー。
「じゃー3番5番、ハ○晴レユ○イ踊れよ♪もちろんフルで」
『何故ハ○晴レ!?』
いや、まずベルがハ○晴レ知ってることに驚きだけれども!
みんなは知らないでしょ!?
幹部のみんなを見てみる。(ボクは一応知ってるよ?日本人だもん←関係ない)
「あらぁ、懐かしいわねぇ」
「フン、命令だからしょうがねぇ」
ま さ か の 二 人 !
え、知ってるの?ヴァリアーのボスまでもですか?しかもノリノリですか?
ハ○ヒ見てたの?ねぇ?
ヴァリアー七不思議だよ………。
その後、ボスとリア姉はハ○晴レユ○イを完璧に踊った。
なにこれ、ヴァリアークオリティー?
ポーズ完璧に決まってたんだけど。
幹部全員で笑い転げてしまった。リア姉、歌うのは反則……!
もしや、入隊条件=ハ○晴レユ○イ踊れること?とか真面目に思った。
だって、完璧過ぎるんだもん。
そして、楽しい時間は過ぎていき……。
「はー。もう終わりにしませんー?」
「やりつくした感あるよな」
「もう命令のストックがねぇぞぉ」
「そうね。終わりにしましょうか」
凄い。王様ゲームってこんなに盛り上がるものなんだ。
笑ったり叫んだりで、腹筋は、明日筋肉痛を予約済み。
体中を襲ってくる疲労感は、まるで山登りをしたかのよう。
「あ。うししっ、なんか忘れてねぇ?」
『? なにが?』
「ヴァリアー式王様ゲームルール4!」
『!!』
「あー、そんなのありましたねー」
わ、忘れてたぁ!
ちなみにボクは、今の今まで奇跡的に一度しか命令を受けていない。
逆立ちさせられたよ。リア姉と一緒に。
ボスの命令は謎だ……。
あ、王様には二度なりました。
他の人は余裕で三回以上命令を受けているので、最後にみんなからの命令を受けるのは………
『………ボク?』
「ですー」「だなぁ」「そうねぇ」「だろ」
幹部全員の視線はボクへ。
………………ぉおっとぉ!?
みんなが笑ったぁ!
「ニヤリ」って! 「ニヤリ」って!!
怪しい笑い発生っ!
身の危険を察知!
総員退避ぃぃぃぃいいっ!!
『うわぁぁああっ!!』
「「「させるかぁぁぁぁああっ!!」」」
逃走開始っ!!