Short Short

□BLACK
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機動六課のレストルーム。そこに彼女はいた。

「…………」

高町なのは。19歳。

「……はぁ」

彼女の気分は何故か、下降気味だった。



** ** **

BLACK

** ** **



「やぁ、高町戦技教導官。今日も笑顔が眩しいね」

ひょこっとレストルームに顔を出したヴェルベットが、へらっと笑いながらなのはに話かけた。

「…………」

一度顔を上げたなのはだったが、すぐに顔を下げ俯いてしまう。誰が聞いても嫌味にしか捉えられない言葉を何も言い返すことなく、やり過ごしてしまう。いつもなら何かしらの反応をするはずの彼女だったが、今はそんな気分じゃないらしい。

「どうしたんだ? 今日一日そんな感じじゃないか」

ストン、とまるで遠慮することを知らないかのようにヴェルベットはなのはの隣に腰を落ち着けた。その両手には缶コーヒー。微糖と書かれたそれを彼女に差し出す。いらない、と首を振るなのはに彼は首を傾げながら「こっち?」ともう片方を差し出した。

「いりません……」

顔を上げずに短くそう言った彼女は、それ以上口を開く気配がない。

ヴェルベットは差し出した缶をどうしたものかと弄びながら、言葉を探していた。

「悩み事なら、お兄さん、聞くよ」

だから、ね。と再び微糖を差し出し、半ば強引になのはの手に収めさせた。

「……でも」

「でも、何さ?」

言葉を濁したなのはが、一拍置いて意を結したような表情をしてから呟いた。

「―――最近ヴァイス君の視線がヤラシイって苦情が多発してて、そろそろ潮時(SLB)なのかなって」

「君はやっぱり、こっちだ」

ヴェルベットはささっと自分の持つ缶をなのはの物とすり替えた。BLACKと印された真っ黒なものと。



end

(なのはさんは黒い。そのイメージが払拭されない……)
 

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