ザンスク

□傍に居ればいい
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「「スクアーロ、誕生日おめでとう!!!」」

食事部屋の扉を開けた直後、祝福の言葉と共にパンパパァン!!とクラッカーの音が響いた。

「ゔお゙ぉっ!?…あ、ありがとなぁ!」
「ほら、早く入って!今日はいつも以上に頑張っちゃったわよ〜!!」
「お、おう」

スクアーロの態度が、いつも以上にぎこちない。


何故なら−−−



「あら、ボス、プレゼントは?」
「……ああ、忘れた」

ザンザスがちゃんと誕生日会に来てくれた。スクアーロは少し喜びを感じたと同時に、それ以上の悲しみを感じた。



『……ああ、忘れた』



プレゼントを忘れた。ルッスやベル、マーモンやレヴィは、プレゼントには相応しくない物があるにしろ、ちゃんと何かを用意してきてくれた。


なのに、ザンザスは忘れた。何も持っていない。




−−−恋人の、誕生日なのに。




それとも、もしかしたらザンザスの中では、スクアーロはもう恋人ではなくなってしまっているのかもしれない。何故なのか理由はわからないにしても、それしか考えられなかった。そう考えるしかなかった。



もともと、男同士で付き合おうなんてのが間違ってたんだなぁ………。



「スクアーロ?」
「悪ィ、ルッス、先に食っててくれぇ……」

目から涙が落ちる前にまた扉の方に体を向けたスクアーロは、とうとう溢れ出した涙を頬に伝わせたまま、食事部屋を後にした。



ザンザスは、黙って正面を見つめているだけだった。

 
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