ザンスク
□夢
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『ザンザス!?』
『もうお前は必要ない』
『な………なんで、だぁ………っ!』
『早く俺の前から失せろ』
『!!』
「………ザンザス!!」
スクアーロは、そう叫びながら跳ね起きた。
「………また、夢かぁ………」
スクアーロは最近毎日のようにザンザスに捨てられる夢を見ては、いつも夜中に起きてしまい、目の下にくまができるほど寝不足になっていた。
「………ザンザス………っ」
毎回同じ夢を見て、毎回夢だとわかっているのに、もし現実で本当に捨てられてしまったらどうしよう、と考えてしまい、スクアーロの目に涙が溜まった。
「ザンザ………」
「どうしたスクアーロ」
「ッ!!」
「開けるぞ」と言ってスクアーロの部屋に入ってきたのは、今1番スクアーロが会いたい人物で。
ザンザスは静かにドアを閉めると、スクアーロが座っているベットへ歩み寄った。
「どうした、こんな時間に俺の名前叫んで………しかも泣いてんのか?」
「………最近、毎晩ザンザスに捨てられる夢を見るんだぁ………」
下を向き、両手で顔を覆いながら話すスクアーロの右隣に、ザンザスも座った。
「夢ってわかってるのに俺は毎回こうやってうなされて………目が覚めてからも現実になったらどうしようって考えちゃってなぁ………」
「………俺がお前を捨てる理由がどこにある?」
「ザンザス………」
未だに泣き止まないスクアーロを、ザンザスは横から抱き寄せた。
「スクアーロ」
「なんだぁ………」
「Ti amo....」
長い髪を分け、耳元で囁かれた愛の言葉に、スクアーロの体が熱くなる。
「Grazie....」
そう言うと、スクアーロは顔を上げて右にいるザンザスの顔を見つめた。
そしてザンザスは微笑を浮かべると、スクアーロの顔に自らの顔を近づけて、愛しい恋人に優しい口づけをした。
fin
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