ザンスク
□今日は何の日?
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「スクアーロ」
暖かな春の陽射しが差し込む広い食事部屋で、朝食を取る暗殺部隊の部員達。
ただ、いつもと雰囲気が違う。
「………」
「おい」
いつもなら自分からザンザスの隣に座るスクアーロが、今日はザンザスから離れてルッスーリアの隣に座っている。
しかも、ザンザスの呼びかけに全く動じず、ただひたすらに朝食を取り続けている。
「………」
「とうとう耳までカスになったか」
「………」
「…………テ………テメェ………俺をシカトするとはいい度胸……」
「あ゙〜美味かったぁ」
「!」
手に憤怒の炎を宿して怒っているザンザスをよそに、スクアーロはそう言って椅子から立ち上がった。
「おかわりあるわよ?」
「いやぁ、せっかくだが遠慮しとくぜぇ」
「あら、残念」
普通に進められる会話に自分が全く含まれていないという事が、更にザンザスの怒りを増幅させる。
「んじゃ俺は部屋に戻る……」
「シカトすんじゃねぇドカスがァァァァァァァァ!!!!!!!!!」
遂に爆発したザンザスが、それでも知らないフリをして立ち去ろうとしたスクアーロに向かって、手元に1個だけあったクロワッサンを投げ付ける。
憤怒の炎を纏ったそれは、ただのパンから殺しの凶器へと変わって、スクアーロの頭に−−−
「ゔお゙ぉ!!こんなとこに落ちてやがったのかぁ!!」
「ド…………ド…………………」
当たらなかった−−−。
スクアーロに当たらずにそのまま直進したクロワッサンが食事部屋の扉に当たり、クロワッサンではなく扉が粉々に砕け散る。
「ドカスがァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!」
本日2回目、これだけで殺傷能力抜群のザンザスの叫びが響く。
クロワッサンがスクアーロの頭に当たる直前、スクアーロがひょいっと姿を消したかと思ったら、床にしゃがんで何かを拾いあげた。
プライドの高いザンザスは、そろそろ本気で精神的に危うい状況に。
「これ俺のお気に入りのストラップなん……」
「来いカス鮫」
「ゔお゙っ!?」
某漫画・DE〇TH NO〇EのLのような持ち方でストラップを拾い、それを眺めていたスクアーロを、ずかずかと歩み寄ったザンザスが無理矢理立ち上がらせ、部屋の外へ投げた。
それに続きザンザスも「ゔお゙ぉぉい!!痛ぇなぁ!!」と騒ぐスクアーロのいる廊下へ、白目を剥きながら部屋を出ていった。