FINALFANTASYXI〜MEMORY OF TIME
□第六章
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「やだやだ!来るな〜〜〜〜〜〜〜ッ!」
ルミネとウーフィが倒れ込んだリンを庇うように立っているが肝心のルミネが混乱してるんじゃ意味が無い。
悲鳴を聞き付けたダグラス達が駆け寄ってくる。
「何をしたんだ?ってか何だ、こいつら!?」
「最初は一匹だったんだっ!
最初の一匹が何か叫んだらぞろぞろ集まってきて………!」
「仲間を呼んだんですね。魔物の中には仲間を呼び寄せるのもいますから」
「<フォレストリーチ>か………嫌な奴に遭遇したな」
キリエとイタチが冷静に言う。
その顔は全然焦ってなかった。むしろ涼しい顔だ。
「フォレストリーチ?」
「その名の通りヒルですよ、ダグ。
血と一緒に魔力をたっぷり持ってくすげぇ、いやな奴。
ダグ、早く追いはらちゃって」
「んなのこの数で出来っか!アホか、てめぇ!」
ギャーギャーワ―ワーと言い合いをして居る二人を尻目にイタチが至極冷静な顔で、
「………オレがやる」
へ?と言葉を失うダグ達を尻目にイタチはすっとクナイを構えた。
沢山いんだぞ?
イタチが高く跳躍した。
両の指の間には、総勢十本のクナイ。
そのまま空中で体勢を変え、目を閉じたままクナイを投げつける。
五月雨のようにクナイは降り注ぎ、フォレストリーチを地面に縫い付けた。
「終わった」
はい?
まだ痙攣してますけど。
「………。
ほっとけ。もうじき死ぬ―――――――ダグラス、避けろ!」
やれやれ、と肩を竦めると急に大声を出した。
後ろを見れば体をにゅっとすぼめ、ダグラスに飛びかかってくる一匹のフォレストリーチ。
―――――こんな奴とキスなんか――――――
「ごめんだ!」
飛びかかってくるフォレストリーチを斬り伏せたダグは、後ろで呑気に拍手するキリエが目に入り、後で絶対殴り飛ばしてやる、と思った。
「……さっきからうるさいな、一体何なんだよ、全く…」
手に獲物を持ったヴェインとアスレイが歩いてきた。
「フォレストリーチか。
また厄介な奴にあったね」
そのまま小さく呪文を唱え始め、手を掲げる。
何を始めるのかと思ったら、アスレイの手に稲妻がまとわり付き始めた。
そのまま、森の中に雷が落ちる!
轟音を響かせ、蒼い光が目を焼き付ける。
後にはぶすぶすとか焦げた大量のフォレストリーチが―――――
「……最初からこうしてたら良かったのに」
ペタがあんぐりと口を開けている。
「今の……バースト?」
「ご名答。今のは古代魔法のバーストさ。
この中で使える奴いないワケ、無いでしょ?」
ペタ以外、全員押し黙った。
目をやればまだ混乱状態のルミネがうじゃうじゃと沸いてくる、フォレストリーチに向かって火の魔法を手当たり次第にぶつけている。
それを見たアスレイがため息を付き、掌を付き出す。
突き出した掌から巨大な炎が生まれ、辺りを焼く。
「……さすがに魔力使いすぎると、疲れるね」
と言いつつ、自身はピンピンしてるし。
化物かよ、お前。
つい半眼になるダグラスを余所眼に、アスレイの視線はペタに向かっている。
「お前、古代魔法使える奴?」
「ええ、そうだけど」
「………使えないな、こんな弱い魔力じゃ………」
「何呟いてるの?」
「………いや、別に」
アスレイが何かを察したかの様に振り返る。
視線の先には、イタチがいた。
青が混じった黒い鋭い目でイタチを睨む。
「君さ、僕達の寝首を掻くためにここにいるんでしょ」
「………!」
「特に彼女の事を憎んでる。
………ちがうかい?」
冷たい視線がイタチを捕らえる。
しばらく無言の睨み合いが続き、イタチがようやく口を開いた。
「お前に……俺の何が………分かる?」
「分かるさ。君も大切な人を目の前で失ったんだろ?
僕も同じだ。その苦しみはよく分かる。
自分の無力さを何度呪っても足りない程にね。あの時、アイツが裏切らなければ、彼女は死ななくてすんだのにって」
それを聞いた瞬間、イタチの顔が歪んだ。
「分かったような口を利くな!
オレはユウの仇をとるために、復讐するためにお前達を利用していたんだ!
オレに仲間なんて要らない!必要ない!」
「……え?」
「……その為に唯一の肉親である弟も、全て捨てたさ!」
イタチが軽く足を引いた。
「みんな押さえて!逃げるつもりよ!」
ペタが金切り声で叫ぶが、イタチは既に煙の中だった。
「さようなら……お別れだ」
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