過去拍手文

□POCHI
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ある日居候が増えた。
 
雨の日に拾った野良猫だ。

名前は―――




POCHI
 
 


 

「ポチ、飯だぜ?」

『ココ』

「下で食わねぇの?」

『うん』



ある雨の日。
公園のベンチで、雨に濡れる男を見つけた。


それがポチだった。


「兄貴がお前のこと心配してたぜ?」

『きょーくん・・・大丈夫、伝えて』

「わかった。朝は下で食おうな」

『うん』



あの時コイツは悲しい瞳をしていた。
放っておけずに俺は、家へと連れて帰ってしまった。
泥で汚れていた顔と体を、風呂で洗い流せば綺麗な顔をした男だった。


ちなみに風呂に入れたのは俺だったりする。
・・・だってコイツ動こうとしねぇんだぜ?



「母さん、ポチの奴やっぱ上で食うってよ」

「あら、ポチちゃん来ないの?」

「んだよ、今日もポチは上か」



残念そうな母さんと兄貴。
行き成り連れてきたポチを、2人はあっさりと受け入れた。


それどころか偉く気に入っている。



「亮、ならアンタもポチちゃんと食べなさい」

「は?」

「あぁ、それがイイ」



こうなったら、もう止められない。


俺は大人しく従い、ポチと俺、2人分の飯の乗ったトレーを持つ。
その時、兄貴から渡された袋。
兄貴からポチへらしい。



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