過去拍手文

□僕だけのメロディ
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彼女の歌は、至上の音楽だと思う。



「旨いんだね」



俺が声をかけると歌声が止んだ。
そんな彼女の元へ、拍手をしながら近づく。



『お、鳳君・・・聞いてたの?』



驚いて、照れたように微笑む。
それから持っていた譜面をパタンと閉じた。



「監督が惚れこんでるくらいだから旨いんだろうな、って思ってたんだけど想像以上だね」

『榊先生が惚れっ!?えぇ!?』



顔を真っ赤にしながら、そんなことないよ、って首を振る。
その姿が可愛らしくて思わず、俺はクスリと笑った。



彼女の声は風みたい。
透明で、純粋で、濁った心を綺麗にしてくれる、そんなような。



「歌、また聞かせてもらえる?」



ハニカムように笑って、彼女は頷いた。
風になびくこげ茶の髪を一掬いして、そっと口付ける。



「できれば、キミの歌声は誰にも聞かせないで欲しいな」



ギョッと驚く彼女に、俺は今までで一番笑って、それから言った。




僕だけのメロディ 


END

(屋上には二人だけ。彼女の歌を聞けるのはこれからもずっと―…)




2月の拍手でした。
チョタお相手!
同級生設定だったり。



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