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□春
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「ふぁあぁー」



あー

ねむてぇ


入学式終わってから部活まで暇だな

片付けだりぃー


丸井先輩いないかなー


それにしても
外は暖かいなー
ねむてぇ……



ん???
中庭に女の子がうずくまってる


……腹痛????



とりあえず行ってみよ











「ねぇあんた」


首だけ振り向いた女は可愛いとまでいかないが
なんて言うか
癒やし???みたいな……
まだ幼い顔だった



「何やってんの?」



胸のとこに紙で作った花がつけられている
きっと新入生だ



『猫としゃべってました』


「はぁ???」


『うそです
ごめんなさい』


足下には一匹の猫がいた

白い猫

彼女にぴったりな小ささ

似合うと思ってしまった





「あんた猫好きなの???」


『好きですよ
この子すごくふわふわしてて
可愛いです』


ニコっと笑った瞬間
彼女の笑顔と桜と甘い風が
俺の胸をきゅんとさせた気がする







【春】




(俺は
甘い香りに騙されてるはず)









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