otherA

□DNA
3ページ/7ページ

アラウディがジョットのベッドに潜り込むようになって半年。
きっかけは――ボンゴレの門外顧問になってくれないかと持ちかけたあの日。
嫌だと言うアラウディにどうしても、とジョットはしつこく食い下がった。
そのしつこさに根負けしたアラウディが「君が僕に飲み比べで勝ったらやってあげてもいいよ」と。
酒には強いという自信があったジョットは即座に頷いた。
そうして始まった飲み比べ。
ビールにワインにブランデーに。
さらには雨月が母国から持ってきた日本酒に至るまで。
城中の酒という酒を2人は飲みに飲んだ。
そして飲み始めてから2時間経って。

「アラウディ、まいっらと言へ!」

すっかり呂律の回らなくなったジョットが叫んだけれど。

「まだまだいけるよ。君こそ降参したら」

顔色ひとつ変えずにアラウディはワインをあおる。
そんなアラウディの様子に、ジョットは心の中で舌打ちした。

(そう言えばコイツ・・・・ウォッカの国の人間らった・・・・)

フワフワする頭で思い出す。
アルコール度数96度のあの酒に比べたらワインもブランデーも水みたいなものだ、と言っていた事を。
最初から勝ち目なんてなかったんじゃないかと思いながらも、諦めきれずに再びブランデーに手を伸ばす。
けれども目測を誤って瓶を倒してしまった。

「ほら!もう無理だ」

諦めな、とアラウディに言われたけれど。

「やらっ!お前じゃなきゃ務まらないんら・・・」

だからまだ降参しない、と子供みたいに駄々をこねる。
そんなジョットを見て、アラウディは呆れたようにタメ息を吐いて。

「・・・わかった。やってあげてもいいよ」

「ほんとか!?やってくれるのか?」

「うん」

頷くアラウディに、ジョットは満面の笑みで抱き着いた。

「ありがとう!アラウディ」

「喜ぶのはまだ早いよ」

「え?」

「引き受けるにはひとつ条件がある」

「条件?」

身体を離してアラウディの顔をキョトンと見上げる。
そんなジョットをヒョイと抱え上げると、アラウディはベッドルームへと移動した。

「アラウディ?」

されるがままのジョットをベッドに降ろすとそのまま圧し掛かる。

「え?え?」

「僕のオンナになりな。それが門外顧問を引き受ける条件だ」

「オンナ?オンナって・・・・んぅ」

ジョットの疑問は、アラウディの酷薄そうな唇に吸い込まれてしまった――。


そうして次の日。
二日酔いでガンガンする頭と、ギシギシとそこらじゅうが痛い身体。
そのあまりの辛さに、目は覚めても起き上れないでいたジョットに。
隣で寝ていたアラウディは涼しい顔で言ったのだ。

「ご馳走様。なかなか良かったよ」

何が。なんて聞かなくても、ジンジンと未だに熱を持っている恥ずかしい場所が物語っている。
2人の間に何があったのか、を。

「オ、オレ達・・・」

しちゃったの?と青くなりながら問いかければ。

「覚えてないの?あんなに良がっておいて」

酔ってたし仕方ないか、としれっと言われてしまった。
その言葉にジョットはガクリと枕に顔を埋める。
ちょっと。ほんのちょっとだけ覚えている。
アラウディは自分のオンナにすると言って、ジョットをこのベッドに押し倒した。
巧みなキスとアルコールのせいで、ジョットはあっという間にアラウディに溺れてしまったのだ。

(オレ・・・オレ、確かボンゴレのボスだったよね?)

ボスなのに部下にやられてしまった。
自己嫌悪のあまり泣きたくなってしまう。

「うっわ!?」

急に身体がフワリと浮いて。
慌てて側にあった物にしがみつく。

「ア、アラウディ?」

しがみついたのはアラウディの首。
ここに運ばれた時のように、再びアラウディに抱え上げられたのだ。

「風呂、用意したから」

「ああ・・・ありがと」

とにかく熱いお湯を浴びてスッキリしたかったから。
そのまま大人しくバスルームに運ばれる。
そうしてバスタブに降ろされて、アラウディはバスルームから出て行くものだと思っていたのに。
アラウディは石鹸を手に取り泡だてると、ジョットの身体を洗い始めた。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ