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□love is blind
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――草壁は生きた心地がしなかった。
並盛神社の地下にある風紀財団のアジト。
そのだだっ広い大広間のど真ん中で対峙する2人の男。
1人は草壁の主、風紀財団のトップである雲雀恭弥。
もう1人は世界のマフィアの頂点ボンゴレ10代目ボスである沢田綱吉。
雲雀は黒の着流し姿でドカリと胡坐をかいて座り、頬杖をついて不機嫌そうにそっぽを向いている。
綱吉はその向かいで正座して膝の上でキュッと手を握り締めて、俯いている。
もうかれこれ20分。
2人はその姿勢で無言のまま。
そして草壁もまた大広間の外の廊下に控えて無言のまま、2人を見ていた。
2人がこんな状況になる原因を作ったのは草壁だった。
いや、元を正せば草壁のせいではないのだけれど。
でもやっぱりきっかけを作ってしまったのは自分なのだと草壁は思う。
きっと今、雲雀は自分に対して腹わたが煮えくり返るほど怒っているに違いない、と。
事の始まりは数週間前。
最近ボンゴレと敵対する新興マフィアが都内の暴力団に麻薬を流しているとの情報が入って。
その調査を雲雀が任されていた。
調査の結果、麻薬横流しは事実。
それどころか拳銃の類までもが流れていたのだ。
その報告を受けたボンゴレ]世・沢田綱吉は新興マフィアの粛清という判断を下した。
そしてそれを実行に移したのが雲雀以下、風紀財団の面々。
昨日、都内某所にて麻薬及び拳銃の引き渡しがあるという情報を得て新興マフィア、暴力団共に血祭りに上げる計画を遂行。
雲雀の手によって双方のボスは文字通り血祭りに上げられたのだった。
あっけない幕切れ――そう思った時。
最後の悪あがきにマフィアの1人が投げた閃光弾。
その強烈な光を雲雀はまともに見てしまい、気を失う事こそなかったもののダメージは大きかった。
すぐさま病院に運び、一時的な視力の低下はあるけれど失明の恐れはないという診断に草壁は胸を撫で下ろした。
一夜だけ入院して、今朝アジトに戻って来たのだ。
視界がはっきりしない雲雀の肩を支えて寝所に向かう途中、雲雀は草壁に言った。
「任務完了の報告だけして、僕の目の事は綱吉に伝えなくていい」
綱吉は今イタリアのボンゴレ本拠地にいるからバレやしない、と。
草壁は了解して雲雀を寝所に送り届けた後、綱吉に報告する為に執務室に向かう。
そうして執務室からイタリアへ連絡を入れた所。