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□夏の王様
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オレ、ここに何しに来たんだっけ?
目の前に広がる青い海を見ながら綱吉は思う。

綱吉はマフィアランド内にあるリゾートに遊びに来ていた。
同行者はリボーンにビアンキとイーピン、そして獄寺を始めとする守護者の面々、そしておまけにディーノ。
バリ風のコテージをひとつ借り切って夏を満喫している。

青く澄みきった空にはカラリと輝く眩しい太陽。
その太陽の光を浴びてキラキラと光る白い砂浜。
穏やかな波が寄せては返すコバルトブルーの海。
申し分のない絶好の海水浴日和。

なのに。

オレ、何してるんだ?
と、もう1度自問自答する。
綱吉は、砂浜に設置したビーチパラソルの下でぼんやりと獄寺達を見ていた。
獄寺達守護者は今。

「うおりゃああ!」

手にした棒をブンブンと振り回す獄寺。

「うっわ!危ねーのな」

ケラケラと笑いながら逃げる山本。

「ぴぎゃーっ!アホ寺むかつく〜。ランボさん怒ったもんね!」

手榴弾を投げようとするランボ。

「ラ、ランボちゃん・・・手榴弾はダメ・・・」

オロオロとランボを止めようとするクローム。

「クロームの分は俺が頑張ってやるから。危ないから離れてろよ」

爽やかな笑顔でクロームを庇うディーノ。

「わははっ!極限に楽しいぞ!」

ひたすら楽しそうな了平。

彼らは―――スイカ割りをしていた。
ただし普通のスイカ割りではない。
全員小玉スイカの付いたヘルメットを被り、自分以外の者のスイカを叩き割る。
壮絶なスイカ割りバトル。

なんだかんだと楽しそうな守護者達を綱吉は恨めしそうに見る。

(なんだよ。オレばっかり除け者にしてさ・・・)

リボーンはスイカ割りバトルの審判をしているし、ビアンキとイーピンも観戦している。

(目の前に綺麗な海があるのにさ・・・。何で普通に泳がないかなぁ)

まぁ、リボーンが企画した旅行だったから。
普通では無いだろうとは綱吉も思っていたのだけれど。
リボーンが皆で旅行に行こうと言いだしたのは、夏休みに入る直前の事だった。


*********


「え、親睦を兼ねた慰安旅行?」

「ああ、マフィアランドのリゾートにな」

リボーンが提案してきた守護者と共に行く慰安旅行。

「でも、費用は・・・」

そんなお金用意できない、と綱吉は訴える。

「心配するな。ボンゴレ\世からのプレゼントだぞ」

守護者達との親睦を深める為のな、と言われて綱吉は「おじいちゃん、ありがとう!」と喜んだ。

「そんなわけでツナ。守護者全員を誘えよ」

浮かれてたから、うんうんと適当に頷いて流してしまっていたのだけれど。
獄寺、山本、了平、ランボは即OK。
了解してくれるか心配だったクロームも素直に頷いてくれた。
ここまでは順調。
しかし、最後の1人が大問題だった。
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