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□俺だけを見て…
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放課後の部室内のこと


空はもう暗くなっていて、
電灯の光がポツポツと点滅していた。

他の部員はあっという間に帰っていて、

財前と謙也だけ今日は後連をしていたのだ。





謙『財前!!早よ帰らな!
んな、とろとろと着替えないで!!』




財「…わかってますよぉ………」



『あぁ〜もうこんなに暗くなってる…


先輩はうろちょろしながら、
たまに窓の外を見ていた。

そのつど、ぼそぼそと独り言しゃべりながら


財(自分、声おっきい事知ってるのかね)


「謙也先輩…もしかして怖いんすか?」



ドキっ!!!!


『な、何言ってるの〜ww!!
そんなわけないでしょ〜中3にもなって〜』


先輩は長椅子に腰をかけながら、
余裕の表情を浮かべていた。



いや……作っていた。



財(先輩が標準語を使うときは、
嘘言うときですよ。)


俺は、正直そのことを教えてやりたかった。



「怖かったら正直に言って下さいよ〜。
もうちょっと待ってくださいね。
今、頑張って着替えるんで」



『おう!!頑張れや!!応援したるから早く着替えて!!』



(先輩相当怖いんやろか……
ここはあえて遅く着替えるか)



俺はラケットの汚れを丁寧に拭き終えて、
次はめったにやらない全身の汗を拭き始めた。



『あれ!?財前っていっつも汗ふくの面倒臭いですわ〜
って言ってしてなかったよね(汗)』



「俺心が変わったんです。やっぱり汗拭かな気持ち悪いですわ。」



『へぇ〜〜そうなんや〜早よ…拭けよ?』


先輩は熱い汗なのか、脂汗なのかわからないけど、大量の汗をかいていた。



(また独り言ぼつぼつと……
でも先輩の反応見てるの…楽しい…)



てか先輩の早着替えには驚いた。
部室に付くなり、カップ麺よりも早く着替えるとは…
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