薔薇の秘め事
□薔薇の秘め事
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「アイツ、鬼道のボールを素手で受け止めやがった!?」
鬼道の実力を一番理解している帝国イレブンは喫驚した。
葵は鬼道にボールを渡した。
『優しいね有人は。ワザとボール軽く蹴ったでしょ?』
葵はそう言って微笑んだ。
なんだそうだったのか、あんな奴が鬼道のボールを止められるわけがないんだからと納得する大半の中、2人だけ周りの声に賛同しなかった。
「佐久間、」
源田は葵を横目に佐久間に声を掛けた。
「鬼道は手加減なんてしてなかった。」
佐久間はじっと葵を観察するように見る。
「それに鬼道と知り合いらしい。」
橙と蒼の瞳が映すのは疑問。
友人...鬼道の所まで来ると葵は口を開いた。
『試合の受け入れありがとね。』
ニコリと笑みを浮かべた。
何かを企むような笑みではない、純粋そうな笑み。
この笑みで何人の人間を欺いたことか!
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