薔薇の秘め事

□薔薇の秘め事
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それで有人が傷付く事も分かっている。



「俺が葵を守るから平気だ。」



それでも折れない彼の意志。



なんで世宇子に負けた事の方にその志を使えないんだ。



葵の考えとは裏腹に口からは全く違う言葉が出て来る。



『なんだ、佐久間君が有人の事好きなのに、有人はそれに今まで気付かないフリしてたんだ。酷い人。』



皮肉を言う。



ワザと悪ぶってみせる。



「俺が葵を好きだって事にお前だって気付いていただろう。」



葵の考えはどうやらバレてしまっているようで。



やっぱり天才ゲームメーカーの名は伊達じゃないと無言で言われてしまった。



『優しいけど容赦ないよね、有人って。』



葵は紫水晶の瞳を細めた。



優しいと言ったり酷いと言ったり、矛盾している。



「それはつまり返答はノーと言うことか?」



『多分イエス。』







わかってるクセに



(その言葉、)


(そっくりそのまま返すよ。)








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