隣の席の佐久間くん
□隣の席の佐久間くん
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梓はちらりと隣の席を見た。
佐久間次郎君。
私の好きな人。
因みに初恋だ。
初めて彼を見た時、失礼だけど女の子かと思った。
華奢そうな体つきだし、女の私から見ても綺麗だと思えるし。
男子だと気付いたのは男子制服着ていたから。
でもきっと女子制服とか着ても違和感ないんだろうなぁ(私の勝手な妄想だけど失礼だよね。でも私の精神の自由と言うことでそこは許して欲しい)。
でもやっぱりサッカーをしている姿を見ると、やっぱり男の子なんだなと思い直す。
褐色の肌に光の当たり方によっては空色に見えたりする銀色の色素の薄い髪が映えて見えた。
ものもらいの時に付ける医療用の白い眼帯ではなく、また海賊が付けるような黒く丸いアイパッチでもない眼帯を右目に付けている。
おしゃれ...なのかな?
まぁ佐久間君カッコいいし似合ってるから問題ないけど。
それに鬼道君もゴーグルしてるし問題ないよね、うん。
梓が一人納得していると、つり目がちな澄んだ橙色の瞳とバッチリ目が合ってしまった。
「どうかしたか、紫苑?」
『ふぇ!?ぁっえっとあの...その...、』
梓はまさか名前を呼ばれるなんて思ってもいなかったし、話し掛けてもらえるとも思っていなかったので返答に困った。
貴方にみとれて、貴方の事考えていたないて...口が裂けても言えないよ。
梓は必死に話題を探す。
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