隣の席の佐久間くん

□隣の席の佐久間くん
1ページ/2ページ










梓は教室に戻る途中、佐久間を見つけた。



『佐久、』



声を掛けかけたがやめた。



佐久間は女の子達に囲まれていた。



私があげる必要ないじゃないか。



佐久間君カッコイイもん。



しょうがない。



...しょうがない?



なんとか渡してみようとか思わないの?



渡したいけど、受け取ってくれる確証がどこにあるの?



何を知ってそう思えるの?



そんなの自惚れじゃないか。



梓は少し遠回りをして早歩きで教室に向かった。



梓は階段を駆け上がる。



「紫苑!」



後ろから名前を呼ばれる。



梓は立ち止まり、後ろを振り返った。



そこにいたのは佐久間ではなく源田だった。



梓の夢に見たような展開は打ち砕かれた。



『えっと...源田君?』



源田は大量のクッキーを両腕に抱えていた。












.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ