隣の席の佐久間くん

□隣の席の佐久間くん
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源田は梓の持っている手提げの中にあるクッキーを見た。



「....紫苑は、佐久間にクッキー渡さないのか?」



梓は何故佐久間という具体的な名前が出て来たのか分からなかった。



『えっと...、』



梓がなんと答えるか迷っていると、源田は再び口を開いた。



「佐久間の事好きなんだろ?」



図星だった。



しかし他人にこの想いを知られているとは思いもしなかった。



源田の蒼い瞳を見れば、誤魔化せないと悟った。



『....な、んで...知っているの?』



梓は自分の気持ちを口に出して認めた。



「紫苑を見ていれば分かる。いつも佐久間を見てるだろ。」



すごい...当たってる...。



『...それって源田君がいつも私を見てくれているって事?』



梓はコテンと首を傾げた。



源田は驚いた。



彼のイメージでは、梓はもっと鈍いんだと思っていたから。



「意外と鋭いんだな。」



源田は意外そうな瞳で梓を見詰めた。










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