隣の席の佐久間くん
□隣の席の佐久間くん
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「席替えをします。」
先生の唐突な言葉に多くの生徒が喜んだ。
梓は彼らとは反対に気を落とした。
佐久間君と席が離れちゃう...。
「席は、テストの結果のいい順にくじを引いてもらいます。」
先生の言葉に生徒達はブーイング。
先生は生徒達を軽く宥め、紙袋を用意した。
その紙袋の中にはそれぞれの席の番号が書かれた紙が入っている。
「鬼道有人。」
先生が一位の生徒の名前を読み上げた。
鬼道は黙って席を立ち、くじを引いた。
やっぱり鬼道君が一位かぁ。
梓はぼんやりと鬼道を見詰めた。
座席表の真ん中の列の右側の前から4番目に鬼道の名前が書かれた。
「紫苑梓。」
梓は名前を呼ばれ、立ち上がった。
真ん中の列の左側の前から4番目。
鬼道の隣だ。
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