隣の席の佐久間くん
□隣の席の佐久間くん
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携帯のイルミネーションと奏でる音楽で着信を告げる。
音楽で電話だと気付き、慌てて携帯を掴みディスプレイを見れば隣のクラスの友人の名前。
通話ボタンを押し、携帯を耳に押し当てた。
『もしもし?』
―――あっ!もしもし梓ー?
ハキハキとしていて、どこかマイペースな声が受話器越しに聞こえてくる。
―――梓、一緒にお祭り行かない?
隣のクラスの友人にお祭りに誘われた。
『お祭り?』
―――今度の日曜日。ヒマでしょ?
ああ、そう言えば夏祭りか。
確か毎年花火が家の二階からも見えるんだよね。
かなりちっちゃいけど。
『ん、いいよ。』
部活も入ってない梓は勿論暇人な訳で断る理由なんてなかった。
―――じゃ浴衣着て、5時現地集合ね。
『うん、分かった。』
返事をすればじゃあ日曜日にねーと暢気な言葉を発し、梓が挨拶する暇もなく通話が切られた。
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