隣の席の佐久間くん

□隣の席の佐久間くん
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佐久間は梓から視線を逸らしながら気まずそうに言った。



「紫苑は何時までいるつもりなんだ?」



どうしよう、どのくらいいるかなんて決めてないや...。



どうせなら、最後まで見ていく?



『えっと、花火最後まで見ていこうかなって思ってるんだけど...佐久間君は?』



「紫苑がそうするなら俺はそれでいい。」



もしかして佐久間君、私に合わせてくれた?



そうならちょっと悪い気がしてきた。



花火打ち上げは6時30分から。



あと1時間ある。



林檎飴にかき氷、それから金魚すくいなんてベタなものを制覇しつつ焼きそばなどを食べた。



移動や並ぶ時間を入れれば1時間なんてあっと言う間だった。



空気を震わす音に、星の光が鈍るほどの光。



耳に付く音が体に浸透する。



太鼓の音を聞く時と同じ感覚。



心臓が鼓動に逆らい振動する。



それが妙に気持ち悪い。



空に咲く華がキレイだった。



夜空に大輪の華を咲かせども、一瞬で消えてしまう。








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