隣の席の佐久間くん

□隣の席の佐久間くん
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「雨が止んだら紫苑は、家に帰るんだろ?送ってく。」



『えっと、あのっ...お母さんが町内会の抽選で一等の温泉当てて、お父さんと今旅行に行っちゃってて...。私一緒に家出たとき、家の中に鍵置きっぱなしで家出ちゃったから入れないの...。』



梓はしゅんとしながら申し訳なさそうに下を向いた。



「いつ帰ってくるんだ?」



『...明後日の朝...。』



「夏休みで良かったな。」



幸い携帯が防水だったため、壊れてはいない。



梓は着信履歴から友人の名前を探し、電話する。



悲しい事に電話に出てもらえず、電波の届かないところにあるだとかいつもの女性の声が聞こえてきた。



梓は電源ボタンを押し、今度はメールした。



返事はなかなか来ない。



いつもの事だもの、しょうがない。



酷い時は一週間メール待ったし。



携帯なくしたとか先生に取り上げられたとか多々あるもの。



しょうがない。










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