恋愛ゲーム
□恋愛ゲーム
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俺は階段を一人で歩いている彼女を見つけた。
傍には晴矢も風介もいない。
ラッキー。
彼女と話せるチャンス。
俺は彼女の後を追った。
しかし彼女の前方から男が近付いてきた。
「紅月先輩。」
誰だよ、その男。
俺の中でどす黒い感情が渦巻く。
人はこれを嫉妬と呼ぶ。
男の嫉妬ほど醜いものはない。
嫉妬は人の感情を支配し、冷静な判断を出来ないようにしてしまうんだから。
彼女は小首を傾げた。
その仕草も可愛いな。
『何か用?』
彼女は目の前の男の対し大して興味もなさそうに返した。
ああ、俺の時と一緒だ。
無関心。
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