薔薇の秘め事
□薔薇の秘め事
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葵は夏未のいる理事長室に向かった。
2回のノックに返事が返ってきた。
やっぱり夏未は理事長室にいた。
『夏未ちゃん、対戦相手決めたわよ。』
葵は唐突に口を開いた。
「どこなの?」
『帝国学園。』
帝国学園の名を聞き、夏未は己の耳を疑った。
「帝国学園ってあの!?」
そう、帝国学園と言ったら前年度に致まで40年間フットボールフロンティアを勝ち抜いたあの帝国だ。
『そうよ。相手に不足なしでしょ?』
葵の思考を夏未が読むことも理解する事も不可能だった。
「そうだけど...、」
夏未は困惑し、戸惑っている。
レベルが違い過ぎるから。
相手はプロ、こっちは素人同然なのだ。
赤子の手を捻るように、雷門は負ける。
敗北は決まったも同然だった。
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