薔薇の秘め事

□薔薇の秘め事
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『初めまして、豪炎寺修也君。』



葵は木の陰から試合を眺めている豪炎寺に声を掛けた。



豪炎寺は驚いた顔で葵を見た。



『試合、出なくていいの?サッカー、好きなんでしょ?やりたいならやればいいじゃない。』



葵はニコリといつものように笑みを浮かべた。



「...。」



豪炎寺は黙ったまま。



『夕香ちゃんを理由にサッカーをやらないなんてのはどうかと思うよ?』



葵は淡々とさわってはいけない場所にわざと触れた。



「お前に俺の何が分かるっ!?」



豪炎寺は葵に怒鳴った。



誰だってきっとこんな風に言われれば怒鳴りたくなる。



葵は予め豪炎寺がこう言うだろうと予測していた。



『ホントは誰かに責めて欲しいんでしょ?そしてどうにかして罪を償いたい。そう思ってるんじゃないの?でも誰も責めない。だから自分からワザとサッカーを取り上げて、罪を償ってるつもりになってる。』



言われてみれば図星だった。



何も言い返せない。



葵はじっと豪炎寺を見詰める。










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