薔薇の秘め事
□薔薇の秘め事
1ページ/2ページ
葵は帝国学園に向かった。
聳え立つ刑務所を思わせる要塞。
孤高の要塞...むしろ孤独の要塞に見えるのは気のせい?
葵はゆっくりと歩き出した。
女性らしい優美な振る舞いから視線を集めていた。
そして何より目を引くのは着物だということ。
葵は一直線に影山がいるであろう部屋に向かった。
『こんにちは、影山さん。』
葵はいつものようにニコリと笑みを浮かべた。
「やはりお前は着物が似合うな。」
葵は袖を口元にやり、フフフと音を立てて笑った。
『お茶は一杯いかが?』
葵の言葉に影山は立ち上がり、部屋を出ていった。
葵もその後に続く。
作法室に行けば既に準備は整っていた。
.