薔薇の秘め事
□薔薇の秘め事
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鬼道は葵にお茶会に招待され、望月家に来た。
鬼道の家とは違って和風な家だった。
礼儀として、予定よりも早くに到着した為、直ぐに家の者に案内されるが、お茶会をする部屋ではなかった。
「失礼いたします、葵様。鬼道様がいらっしゃいました。」
襖が開けられ目に飛び込んできた光景に驚いた。
葵は着物を着る途中で、下着しか身に着けていなかったのだ。
「ししし失礼したしましたっ!!」
部屋を案内した彼女は勢いよく襖を閉めた。
おかしい、今のは確かに葵の顔だった。
しかし葵は確か女だったハズ。
兄弟か...?
いや、兄弟がいるなんて聞いてないし、何度かこの家に来ているがそれらしい人物など見たこともない。
先程見た人物の姿を思い出せば矛盾点をいくつか見つけた。
彼が着ようとしていた着物は確かに女物だった。
しかし下着は男物だっし、何より胸がない。
つまり先程の人物は男。
しかし彼の案内人の彼女は葵様と呼んだ。
つまり彼は葵。
しかし仮に葵とするなら髪が短かった。
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