薔薇の秘め事
□薔薇の秘め事
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軽く生徒会室の扉がノックされ、葵が返事するよりも先にドアが開いた。
と言うより、葵にはノック音すら聞こえていなかった。
ノックした人物が中に入った瞬間、彼の目の前には葵の脚が。
「うわぁっ!?」
彼は驚きのあまり、その場に尻餅を付いてしまった。
その原因は葵がテレビのエクササイズに夢中になり、人がいたことに気付けずに蹴りをしたからである。
一歩間違えれば彼の顔面に蹴りがいくところであった。
『あ、ごめんなさい。』
葵は慌ててエクササイズのDVDを停止し、テレビを消した。
そしてその場に座り込んでいる彼に手を差し出した。
彼は唖然としながらも葵の手を掴み、立ち上がった。
『さっきは驚かせてごめんなさい。私は望月葵。生徒会会長よ。』
「一之瀬一哉、です...。」
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