薔薇の秘め事

□薔薇の秘め事
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決戦の日、多くの人間が世宇子中のサッカースタジアムに来ていた...と言うのも何故か分からないが、当日になってスタジアムが変更になったからだ。



世宇子のサッカースタジアムの外見は某天空の城を思わせる風貌だった。



試合開始までまだ時間があるのに多くの人が期待を胸にスタジアムに入っていた。



昨日の事もあり、葵の頬には湿布が貼ってあった。



葵はそっと湿布の上から打たれた頬を撫でる。



痛みに顔を少しだけ歪めた。



『まだ痛むか...。』



ポツリと呟かれた言葉は奥から聞こえてくる騒がしい声にかき消された。



葵は雷門メンバーが来るのを楽しみそうに口元に笑みを湛えるも、昨日打たれた頬が痛みすぐに引き吊る。



「葵!」



名前を呼ばれ振り返れば見知った顔。



アフロディだった。



アフロディは葵の頬の湿布にその端正な顔を歪めた。



『何その醜いものを見る目、傷付くんだけど?』



軽い調子で言われた嫌味にアフロディはパッとその顔を止めた。



が、やっぱり多少歪んでいる。









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