薔薇の秘め事

□薔薇の秘め事
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入り口の方が騒がしくなり、雷門メンバーがやって来た。



『遅かったね。』



葵は痛まない程度に笑みを見せた。



「「望月会長!」」



葵を見ると一斉に声を上げた雷門メンバー。



大抵会うときは制服か和服の為、葵の私服は雷門メンバーにとっても珍しかった。



「望月会長、その頬は...?」



夏未は葵の頬を見て訝しげに聞いた。



『ああ、これ?ひっぱたかれたの。』



「誰にだ?」



いつもより声の低い豪炎寺に、葵は彼が怒っているのだと知る。



豪炎寺君は優しい人間だから心配してくれているのか、嬉しいなぁ。



『照美に。』



葵の口から出た聞き慣れない名前に雷門メンバーは頭上にハテナマークを浮かべた。



照美なんて名前なんだからきっと明るい女の子だろうと想像し、葵が名前で呼ぶ程だから割と親しい間柄と想像する。



全く逆なのだが。



「世宇子のアフロディか。」



鬼道の言葉に葵の言う照美が誰だか分かり、更なる闘争心を燃やした。



『結構痛かったよ。みんな、力強いから気を付けてね。特に円堂君。君はゴールキーパーだからかなり辛いと思う。』







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