狂愛
□狂愛
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翌日。
僕は練習が始まる前に、昨日彼女がいた所を見た。
そこには誰もいない。
やっぱり昨日のは思い込みだったんだ。
練習は試合形式で練習する。
攻撃型と守備型。
互いの特化したものを鍛える為。
僕は勿論攻撃型。
でもボールを奪われたしまえばヘブンズタイムで取り返す。
ゴールの前まで来るとシュートの体制を取る。
「ゴッド...」
ノウズと唇が形を作る前に、視界の隅に彼女がチラついた。
彼女はフワリと微笑んだ。
僕は思わず足を止めた。
ゴッドノウズでシュートを打つ事無く地に足を付けたのは何カ月か前のフットボールフロンティア全国大会決勝戦以来だ。
彼女はじっと僕が来るのを待っているように僕を見つめている。
不審に思ったヘラが僕の傍まで来た。
「どうした?昨日から変だぞ?」
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