狂愛

□狂愛
1ページ/3ページ









「どうしてまだいるの!?」



アフロディはバッっとベッドから起き上がった。



鬱陶しそうな顔。



『お兄ちゃんの為にいる。』



緋美は口癖を口にする。



同じ事を何度も言われ、嫌気がさしてくる。



「そんな事何千回も聞いた。」



『お兄ちゃんの幸せを願っているよ。』



愛を囁くように、悲願するよう口にされた新しい口癖。



「嘘だっ!嘘だ嘘だ嘘だ!緋美は僕の幸せを願ってなんかいない!幸せを願ってくれてるならなんでまだここにいるの!?」



『それはお兄ちゃん...、』



そこで台詞が途切れた。



続きをアフロディが言った。



「僕の為にいる、何回も聞いてる!僕は、こんなの耐えられない!姿が見えるのに、話しかけたりできるのに触れられないなんてっ!!こんなの...つらいだけだよ....。」



苦しそうな哀しそうな表情。



『お兄ちゃん、触れられるよ。』









.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ