狂愛
□狂愛
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「どうしてまだいるの!?」
アフロディはバッっとベッドから起き上がった。
鬱陶しそうな顔。
『お兄ちゃんの為にいる。』
緋美は口癖を口にする。
同じ事を何度も言われ、嫌気がさしてくる。
「そんな事何千回も聞いた。」
『お兄ちゃんの幸せを願っているよ。』
愛を囁くように、悲願するよう口にされた新しい口癖。
「嘘だっ!嘘だ嘘だ嘘だ!緋美は僕の幸せを願ってなんかいない!幸せを願ってくれてるならなんでまだここにいるの!?」
『それはお兄ちゃん...、』
そこで台詞が途切れた。
続きをアフロディが言った。
「僕の為にいる、何回も聞いてる!僕は、こんなの耐えられない!姿が見えるのに、話しかけたりできるのに触れられないなんてっ!!こんなの...つらいだけだよ....。」
苦しそうな哀しそうな表情。
『お兄ちゃん、触れられるよ。』
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