狂愛
□狂愛
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「ごめん、緋美ごめんね。消えて欲しいなんて嘘だから...だから戻ってきて。傍にいてよ...。緋美がいないのなんて耐えられないよ...。」
自分が神様だなんて思っているクセに、寝室の窓から見える月に呟く姿はなんだかお祈りしているように見える。
『情けないよ、お兄ちゃん。』
「緋美っ!!」
緋美の姿を見つけるとアフロディは緋美に抱きついた。
「怖い。もう一度緋美を失うんじゃないかって、目を閉じるたびに思うんだ。そしたら僕は打ちのめされる。ふっ切る事なんてできない。」
そしてスルリと緋美の揃く柔らかい頬を撫でた。
『何するの。』
「キスをする。舌を使って。だから感じて?いい?」
『うん。』
瞳を閉じ、ゆっくりと唇を寄せた。
舌を絡ませて、猥らに、エロティックに。
唇を離せば物足りなさそうな顔をされた。
「そんな顔して...誘ってるの?」
挑発的に言えば、それ以上に挑発的に返事が返ってきた。
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