狂愛

□狂愛
1ページ/2ページ










「僕、瞳を閉じるよ。」



アフロディはベッドの中で唐突に宣言した。



「これってあの瞬間と似てる。朝目が覚めて半分眠ってる状態の時こんな風に感じる。何もかもホントみたい。夢も現実に思える。完全に目が覚めるまでのその瞬間、全ては現実。でも目を開けて日差しを浴びたら、夢だと気付く。だから僕、目を閉じる。」



アフロディは緋色の双眸を閉じた。



『分かった。』



「うん。」



安定した心音を背中で感じた。



それが子守唄の様で、緋美も瞳を閉じた。





***





「ん、」



アフロディが目を覚ませば隣にいるハズの温もりがいなかった。



アフロディはベッドから跳び起きた。



「緋美!緋美っ!!」



血の気が引くのを感じた。



いなくなっちゃった?



嫌だ、そんなの嫌だよ!










.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ