薔薇の秘め事
□薔薇の秘め事
1ページ/3ページ
今は何時だろうか。
10時30分位だろう。
ちょうど成長ホルモンが放出される時間帯だ。
「ねぇ、塔子さん。一つ質問していいかしら。貴方円堂君が好きなの??」
まだ眠気が来ないのか夏未は質問した。
「ああ。あたし、ああいう奴が好きなんだ。」
塔子はなんの躊躇もなく、好きだと言った。
円堂に想いを寄せる夏未と秋は背筋がヒヤッとしたのを感じた。
だが同時に素直に言える事が羨ましかった。
「それって男の子として...恋愛感情で好きなの?」
「そんなもん関係ないよ。友達として、サッカー仲間として好きなんだ。」
恋愛感情ではないことに夏未と秋は安堵の息を吐いた。
「そういうものなの?」
「そういうものなんだ。」
塔子は肯定して言い聞かせるようだった。
夏未は次に葵に話題をふった。
「望月会長は本当はやっぱり鬼道君が好きなんじゃないの。」
疑われるのは何だか変な気分だ。
そう冷やかされてる気分によく似ている。
ムズムズして妙な違和感がある。
.