薔薇の秘め事

□薔薇の秘め事
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寒さに身動ぎ葵は目を覚ました。



「起きたのか。」



『有人...寒い。』



寝ぼけ半分で口から出た言葉に鬼道は北海道だからな、と返した。



葵は窓の外の雪景色を見て納得した。



通りで寒いわけだ。



『私寒いの得意じゃない。』



「知っている。」



葵は鬼道の肩から頭を動かし、首を捻って血の巡りを促す。



『ありがと、有人。』



ポツリと葵は呟く。



雪原の真ん中に震えながら立っていた雪の様な少年をキャラバンに乗せた。



新橋色の瞳、少し跳ねた色素の薄い紫を混ぜたような銀髪、太陽を知らないかのような白い肌。



どこか儚く、触れれば雪の様に溶けてしまうような不思議な雰囲気を持った少年だった。



なかなかの美男子だ。



豪炎寺とは真逆のタイプだ。



いかにも草食系男子って感じだ。



少年は葵の隣に座った。



ホットな少年だ。



彼の体温がとかじゃなくて、容姿を褒めるキュートって意味でだ。



『大丈夫?』







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