薔薇の秘め事
□薔薇の秘め事
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『今晩のオカズは彼だね。』
「葵。」
そういう言葉は控えろ、と言うように鬼道は葵に言った。
『あは、冗談だよ。でもいい男。』
葵は紫水晶の瞳を細め笑った。
「...ああいうのが好みか。」
話をやめること促した鬼道が話を継続させた。
それがちょっと不思議で葵は首を傾げた。
『何で?』
「聞いてみただけだ。」
鬼道は言葉を濁した。
『だって吹雪君ってリバネコっぽいじゃない?』
「お前の淫らな話は聞きたくない。」
話をしたいと言ったりしたくないと言ったり、全くどちらかはっきりして欲しい。
『聞いてきたのはそっちでしょ。』
「お前な...、」
呆れたような...いやもっとこう、咎めるような。
それは今に始まった事じゃない。
『何さ、妬いてるの?男の嫉妬は見苦しいよ。』
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