薔薇の秘め事
□薔薇の秘め事
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吹雪を加えての特訓をしようとグランドに集合した。
葵は腕を組んでいる鬼道の右に来て、マントを掴んだ。
マントにくるまり、外気との隔たりを無理矢理作った。
マントに隠れて見えない鬼道の背番号が少し見える。
「何してる。」
首だけこちらに向けた鬼道と目が合った。
『人肌が恋しいから。』
葵はマントを掴む左手に力を入れた。
「恋しいか。」
誰がとか何がとかは聞かない。
聞くのは野暮と言う物だ。
『うん...有人は温かいね。』
葵はポツリと言った。
そこに雷門のユニフォームを着た吹雪が来た。
葵は掴んでいた鬼道のマントから手を離し、吹雪に近寄った。
冷気が肌を撫で上げた。
『似合ってるよ、吹雪君。』
マフラーとユニフォームの間のちょっとだけ見える鎖骨がとってもホットだねとかホットって言うのは気温とか君の体温じゃなくてつまりは君がキュートって意味で、とかは絶対に口にはしない。
引かれるから。
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