薔薇の秘め事
□薔薇の秘め事
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「だったら風になればいい。」
そんな吹雪の一言により白恋中の校舎裏にあるゲレンデに向かった。
吹雪はスノボによって目を速さに慣らさせようと言うのだ。
一方葵は自分を向上させる事よりも違う事を行っていた。
葵はみんなから離れると、携帯を取りだし、電話を掛けた。
何度かコール音の後に繋がった。
『もしもし?』
葵は周りをちらりと見回した。
―――葵か?どうした?
『直人、私死亡プラグ立ってると思うんだよ。』
葵は無機質に言う。
まるでよくできたロボットのように。
―――...そうだな。
『有人が頑張ってフォローしてくれるけどいつかバレる。』
しばらくの間沈黙が訪れたが、それはほんの5秒程だった。
―――葵はどうしたい?
どうしたいか、と問われても困る。
葵自身を評価するのは他人だ。
葵じゃない。
『...贅沢言えば受け入れて欲しいし、他言しないで欲しい。』
贅沢な願いだ。
贅沢にも程がある。
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