隣の席の佐久間くん
□隣の席の佐久間くん
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「紫苑!」
名前を呼ばれ、振り替えればやっぱり恋人の佐久間で。
『どうしたの?佐久間君?』
「その、なんだ...、よかったらサッカー部のマネージャーやらないか?いや、やりたくないなら断っていいんだ。ただ紫苑がマネージャーになってくれればサッカーしてるのを見てもらえるし、一緒に帰れるし...、ほら!いつも部活終わるまで待っててもらうわけにもいかないだろ?」
真っ赤になりながらも一生懸命話す姿は可愛い。
『いいよ、マネージャーやっても。』
梓は笑みを浮かべて言った。
「ホントかっ!?」
橙色の隻眼をキラキラさせて言うものだからこちらも嬉しくなる。
『嘘吐いてもしょうがないでしょ?それに...私も少しでも一緒にいたいし...。』
恥ずかしながら言い切った。
達成感に安堵し、自分が言った事に対する羞恥が勝り、頬に熱を帯びたのを感じた。
まだファーストネームで呼び合える程の勇気はない。
ただ、傍にいるだけで...同じ時間を共有できるだけで、それだけで十分だ。
これからゆっくり進めばいいだけの事なんだから。
アフターライフ
(いつも君の傍に。)
(もう放さないから。)
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