隣の席の佐久間くん

□隣の席の佐久間くん
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そして視界に彼の持つ携帯に付いたペンギンのストラップが目に入った。



『ぺ、ペンギン、可愛いよね。』



梓はそう言って誤魔化した。



梓の言葉に佐久間はその橙色の瞳を瞬かせた。



そして彼の表情は嬉しそうなものに変わった。



「紫苑っ!!」



『はっ、はい!!』



名前を大きな声で呼ばれて、声が裏返りそうになった。



それくらい驚いのた。



「お前、いい奴だな!!」



梓は違う意味で驚いた。



だってあの佐久間君が、私をいい奴だなんて...、



それになんだかその嬉しそうな顔が自分に向けられていると嬉しくて。



その表情が子供みたいで、普段の彼から想像できない笑顔のギャップに笑えた。



『ぇ、あ、ありがとうございます?』



とりあえず褒め言葉と思ってもいいのかな?










きっかけはペンギン



(ペンギンはきっと、)


(恋のキューピットだ。)











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