隣の席の佐久間くん
□隣の席の佐久間くん
2ページ/2ページ
先ほどの調理実習で作ったクッキーを女の子達から貰ったのだろう。
ちゃんと全部受け取ってくれる彼は優しいな、なんて思ってしまう。
佐久間君も、女の子達から受け取ってるのかな...?
そう思うと悔しかった。
梓はキュッと手提げを握り締めた。
「紫苑、階段は駆けない方がいい。」
『え?』
梓は不思議そうな顔をする。
「パンツ見えてる。」
その言葉を聞いた刹那、梓の顔が火がつく様に赤くなった。
口を開いたり閉じたり...金魚みたいだ。
「階段駆けるなら下に何か穿いた方がいい。」
『えっと、ご指摘ありがとうございます...?』
梓は戸惑いながらお礼を言った。
それに源田は吹き出した。
「紫苑ってやっぱり変わってるよな。」
『...変って事?』
梓自身は何処が変なのか分からない。
自分は普通のつもりで過ごしているから。
「いい意味でな。」
源田は小さく笑った。
不思議ちゃん
(私って変なのかな?)
(いい意味ってどういう意味?)
.