隣の席の佐久間くん

□隣の席の佐久間くん
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止まろうとしても勢いは急ブレーキをした車のように簡単には止まらない。



勢いのまま梓は鬼道にぶつかってしまった。



いくらサッカー部で鍛えてあろうと突然勢いよく飛び込んできた梓を鬼道が受け止め、支えることなんて出来ない訳で。



梓は鬼道に飛び込む形になり、鬼道はそのまま後方に倒れてしまった。



最悪のタイミングだ。



客観的に見れば梓が鬼道を押し倒している。



梓は暫く思考を停止させた。



そして自分が鬼道を押し倒しているという現状を思い出せば、直ぐに顔に熱が集まり、羞恥に見舞われる。



「大丈夫か?」



鬼道は自分の上にいる梓に問い掛けた。



『ご、ごごごめんなさいっ!!』



梓は素早く鬼道の上から退き、逃走した。








ハプニング



(ああだこうだ、)


(愛だ恋だ言うんじゃない。)










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