隣の席の佐久間くん
□隣の席の佐久間くん
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なんで知ってるの!?
まさか源田君が!?
『源田君に聞いたの?』
「いや、そうじゃない。紫苑を見てれば分かる。」
源田君にバレ、鬼道君にもバレた。
いや、源田君にバレるって事は鬼道君にバレる事は必然事項だよね。
鬼道君結構鋭いし。
『誰にも、言ったりしないよね?』
控え目に聞いてみる。
しないよね?
これ提案っぽく聞こえるけど、実はそうじゃないんだよね。
「ああ、大丈夫だ。安心しろ。」
その言葉を聞き、梓は安堵の息を吐いた。
「それにしてもどうして気持ちを素直に言わないんだ?」
誰にと聞かずとも分かっている。
『だって上手くいくなんて思えないもの。佐久間君人気高いし...私なんかとは釣り合わないもの。』
脳裏に浮かぶ彼の姿を思い出し、梓は切な気に笑った。
「何の確信があってそう言い切るんだ。」
確信?
確信なんてない。
ただ自分がそうだと思ってるだけ。
現実を見てるだけ。
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