隣の席の佐久間くん

□隣の席の佐久間くん
2ページ/3ページ









なんで知ってるの!?



まさか源田君が!?



『源田君に聞いたの?』



「いや、そうじゃない。紫苑を見てれば分かる。」



源田君にバレ、鬼道君にもバレた。



いや、源田君にバレるって事は鬼道君にバレる事は必然事項だよね。



鬼道君結構鋭いし。



『誰にも、言ったりしないよね?』



控え目に聞いてみる。



しないよね?



これ提案っぽく聞こえるけど、実はそうじゃないんだよね。



「ああ、大丈夫だ。安心しろ。」



その言葉を聞き、梓は安堵の息を吐いた。



「それにしてもどうして気持ちを素直に言わないんだ?」



誰にと聞かずとも分かっている。



『だって上手くいくなんて思えないもの。佐久間君人気高いし...私なんかとは釣り合わないもの。』



脳裏に浮かぶ彼の姿を思い出し、梓は切な気に笑った。



「何の確信があってそう言い切るんだ。」



確信?



確信なんてない。



ただ自分がそうだと思ってるだけ。



現実を見てるだけ。








.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ