隣の席の佐久間くん

□隣の席の佐久間くん
3ページ/3ページ








痛い目見たくないから。



『だってここは現実で、御伽噺でも夢でもないんだよ。昔々で始まり、幸せに暮らしましたなんてハッピーエンドはない。あるのは暗い嵐の夜で始まり、嫌な感じで終わる結末で終わるバッドエンドだけ。現実は痛い。』



梓は苦しそうな顔で言った。



「意外だな、紫苑がそう考えているなんて...。」



あまりに現実主義な梓の言葉に鬼道は驚いた。



『意外...?』



「てっきり紫苑は御伽噺を未だに信じていて、白馬に乗った王子が自分を迎えに来てくれると信じていそうだ。」



『鬼道君の中の私ってメルヘンし過ぎ...。』



私ってそんな風に見られてたの...?



私痛い子過ぎるよ....それって佐久間君からもそう思われてるかもしれないって事!?



それは嫌だ...。



「紫苑は希望を持つことに対し臆病になっているだけだ。幸せの為に恐怖に身を任せるのも悪くないと思う。」









現実と御伽噺は別物



(それってつまりどういう事?)


(自分で考えるんだ。)










.
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ