隣の席の佐久間くん
□隣の席の佐久間くん
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痛い目見たくないから。
『だってここは現実で、御伽噺でも夢でもないんだよ。昔々で始まり、幸せに暮らしましたなんてハッピーエンドはない。あるのは暗い嵐の夜で始まり、嫌な感じで終わる結末で終わるバッドエンドだけ。現実は痛い。』
梓は苦しそうな顔で言った。
「意外だな、紫苑がそう考えているなんて...。」
あまりに現実主義な梓の言葉に鬼道は驚いた。
『意外...?』
「てっきり紫苑は御伽噺を未だに信じていて、白馬に乗った王子が自分を迎えに来てくれると信じていそうだ。」
『鬼道君の中の私ってメルヘンし過ぎ...。』
私ってそんな風に見られてたの...?
私痛い子過ぎるよ....それって佐久間君からもそう思われてるかもしれないって事!?
それは嫌だ...。
「紫苑は希望を持つことに対し臆病になっているだけだ。幸せの為に恐怖に身を任せるのも悪くないと思う。」
現実と御伽噺は別物
(それってつまりどういう事?)
(自分で考えるんだ。)
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