隣の席の佐久間くん
□隣の席の佐久間くん
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日曜日。
白地に黄色柄の浴衣。
実はこれ2万円近くした。
6万円のには流石に手を出そうとは思えなかった。
彼女はその6万円の浴衣を買っていたのだが。
毎年現地集合と言えば神社の所で待ち合わせをしている。
しかし待ち合わせの時間、4時を10分程過ぎたが、彼女は現れない。
そろそろ遅れてごめーんなんて聞こえてきそうだ。
あと3分だけ待とう。
そう思って待つこと12分。
おかしい...。
確かに彼女は時間にルーズだが、20分も待たせるなんて...。
正確には22分ちょっとだけど。
「紫苑?」
名前を呼ばれ、顔を上げれば佐久間がいた。
学校の制服でもジャージでもない、私服だった。
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