隣の席の佐久間くん
□隣の席の佐久間くん
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浴衣と下駄の所為でうまく走れない。
足を止めた場所は最初会った神社。
神社には4、5人雨宿りをする人がいて、サイアクーなんて言う若い女の声が雨の音に混じって聞こえた。
梓は乱れた呼吸を肩で息をしながら整える。
『雨、すごいね...。』
梓とは対照的に佐久間は余り呼吸を乱していない。
これが運動部と部活をやってない人の体力の差。
「ああ。」
髪から滴る水が首筋を伝う姿が色っぽい。
雨の所為で額に付く湿った髪をかきあげる姿は更に扇情的で。
恥ずかしくなって俯いた。
「おい、見ろよ。」
「ラッキー。」
佐久間は何を見て男がそう口にしたのか分からなかったが梓をみてすぐにわかった。
浴衣が白地の所為もあって、雨に濡れれば当然透けて下着が見えてしまっているのだ。
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